天然的生活 第68回 ~女郎花(オミナエシ)

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女性の身体をサポート

日本では、秋の七草の1つとして、万葉の頃から愛されてきたオミナエシ。

日本全土各地で見られ、切花など、観賞用としても親しみやすい。

この不思議な名前は、美女をも圧倒するという意味の「おみな圧し」を由来とするとか、

白飯を「男飯」と言うのに対し栗おこわを「女飯」と言い、

この花が栗の粒のようであるところに由来するなど、諸説あるようだ。

 

中国医学では、わずかに醤油の腐ったような匂いがあることから、

「敗醤根(はいしょうこん)」と呼ばれ、これは根を乾燥させ、煎じたものを指す。

主な作用は消炎、浄血、排膿などで、出産後の悪露や腹痛、腰痛のほか、

むくみや腫瘍、手術後の痛み止めや様々な婦人科系の症状にも処方されるという。

 

また、オミナエシの花のみを集めたものは「黄屈花(おうくつか)」と呼ばれている。

こちらは生薬として単味だけで用いられることが多く、

そのほかの生薬と合わせた複合漢方薬としては使われない。

 

そのほか、最近ヨーロッパなどでは、

オミナエシ科のセイヨウカノコソウを配合した「バレリアン」というサプリが売られている。

これは精神や神経の高ぶりを抑え、不眠を解消するハーブのドリンクとして人気だとか。

 

女性をサポートしてくれるオミナエシを、ぜひ試してみよう。

 

~広東ジャピオン2013年8月26日号

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