女性の身体をサポート
日本では、秋の七草の1つとして、万葉の頃から愛されてきたオミナエシ。
日本全土各地で見られ、切花など、観賞用としても親しみやすい。
この不思議な名前は、美女をも圧倒するという意味の「おみな圧し」を由来とするとか、
白飯を「男飯」と言うのに対し栗おこわを「女飯」と言い、
この花が栗の粒のようであるところに由来するなど、諸説あるようだ。
中国医学では、わずかに醤油の腐ったような匂いがあることから、
「敗醤根(はいしょうこん)」と呼ばれ、これは根を乾燥させ、煎じたものを指す。
主な作用は消炎、浄血、排膿などで、出産後の悪露や腹痛、腰痛のほか、
むくみや腫瘍、手術後の痛み止めや様々な婦人科系の症状にも処方されるという。
また、オミナエシの花のみを集めたものは「黄屈花(おうくつか)」と呼ばれている。
こちらは生薬として単味だけで用いられることが多く、
そのほかの生薬と合わせた複合漢方薬としては使われない。
そのほか、最近ヨーロッパなどでは、
オミナエシ科のセイヨウカノコソウを配合した「バレリアン」というサプリが売られている。
これは精神や神経の高ぶりを抑え、不眠を解消するハーブのドリンクとして人気だとか。
女性をサポートしてくれるオミナエシを、ぜひ試してみよう。
~広東ジャピオン2013年8月26日号