季節の変わり目に山椒
日本を代表する香辛料のひとつであり、
上品な香りと、しびれる辛さを特徴とする山椒。
別名「ハジカミ」とも言われ、意外にも柚子や金柑と同じミカン科の植物である。
効能としては、身体に熱を与える作用を持ち、
手足の冷え症や冷えからくる胃痛、手足のむくみにとても効果的とされている。
また、湿疹によるかゆみには、山椒を煎じた液で患部を洗うと良い。
ただし、非常に刺激の強い生薬で、過度に摂取すると、
逆に胃腸を傷めることもあるので要注意。
日本では、料理の辛味付けや香り付け、彩りとしてよく用いられる。
特によく食べられている「ちりめん山椒」は、冷凍保存もできて便利。
ちりめん100㌘に対し山椒10粒程度を炒ればOKだ。
味付けはみりん、醤油、酒。鍋を揺するようにし、箸などで混ぜないこと。
中国でも、調味料として炒めものや火鍋に使用されている。
また、昔の接骨医は、打ち身や捻挫、むち打ち症の治療の際、
乾燥させた山椒の葉を粉末にし、卵白、小麦粉と混ぜ合わせ、患部に貼っていたようだ。
基礎代謝の活性化や、発汗作用にも優れる山椒。
季節の変わり目は身体を冷やしがちだが、
料理に山椒を取り入れて乗り切ろう。
~広東ジャピオン2013年3月4日号