心身ともに穏やかに過ごす
日本では、最も身近な山菜の1つとしてよく食べられているワラビ。
春になると山へ入り、ワラビを採り、
天ぷらや和え物などにして食べるのを季節行事としている人も多い。
中国でもごく一般的な食材で、昔から前菜料理としてよく食卓に上り、
栽培も盛んに行われ、1年中食べることができるようになった。
ワラビの主な効能は、むくみを抑え、利尿を促すほか、
食物繊維が多いので、便通もスムーズにしてくれる。
特に脂肪分吸収作用は、
油の多い干鍋料理(汁気のない辛い鍋料理)に欠かせないとして、
ワラビが入ったものが人気だ。
最近これらの作用が話題となり、若者の間でも頻繁に食べるようになったという。
ワラビを食べる際に重要なのが、アク抜きだ。
完全に抜いてしまうと、独特の風味まで損なわれるが、
ビタミンB1を破壊する酵素や、発がん性物質を含むため、
アク抜きをする必要がある。
アク抜きに最適な条件は、お湯が沸騰したら火を止め、
90~100℃の間でワラビを入れる。
こうすることで、柔らかすぎず、程良い食感と味が楽しめる。
また生薬としては、身体の温熱を取り除くため、
肉や揚げ物を食べるとお腹を壊しやすい人に処方される。
心を穏やかにする効果も期待できるので、心身ともに整えて、夏を過ごそう。
~広東ジャピオン2013年8月5日号