天然的生活 第82回 ~葛根(カッコン)

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ゾクッと悪寒時に葛湯

 

日本でも有名な漢方薬「葛根湯」に配合される生薬「葛根」は、

マメ科つる性植物であるクズの、

根の皮を取り除いて乾燥させたものである。

葛餅などに使われる葛粉もまた、

同じくクズの根から得られるデンプンを精製して作られており、

日本人にとって、身近な植物の1つと言えるだろう。

 

葛根は、発汗・解熱効果が認められており、

筋肉の強張りを緩和し、頭痛や関節痛を改善するとされ、

風邪の初期対策や、肩こり、下痢の時などにもよく用いられる。

ほかにも、最近の研究結果によると、

認知症や記憶力低下防止にも効果が見られ、

さらには更年期障害の抑制にも利用されているそうだ。

 

風邪のひき始めや、悪寒を感じた時などは、葛湯がオススメ。

よく温めた器に、葛粉10㌘とぬるま湯少量を入れ、

ダマがなくなるまで溶かしたら、熱湯を注いで手早く混ぜ、

仕上げに砂糖を入れて出来上がりだ。

葛粉自体の味は薄いので、

抹茶やジャムなどを加えると味に広がりが出る。

特に生姜は、葛粉と同じく身体を温めるとされるので、

相乗効果が期待できる。

寒気を強く感じる時は、試してみてはいかがだろうか。

 

季節の変わり目は体調を崩しやすい。

葛湯を飲んで、身体の芯から温め、風邪を防ごう。

 

~広東ジャピオン2013年12月9日号

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