どんな料理にも合う紫蘇
中国には、こんな伝説がある。
後漢末期、洛陽の若者が蟹の食べすぎで食中毒を起こし、
死にかけていた。
しかし、医者が紫色の薬草を煎じて飲ませたところ、
息を吹き返したのだ。
そのため、「紫」の「蘇る」薬として、
この草を「紫蘇」と呼ぶようになったという。
このようにシソは、魚や蟹などの解毒作用があるとして、
海鮮アレルギーに処方される。
漢方医学では、主に赤じその葉を「蘇葉」または「紫蘇葉」といい、
気が停滞している状態を改善する生薬とされている。
また、身体を温め、利尿・発汗を促して水分代謝を良くするので、
鼻水が出る場合や、水太りの解消に効果的。
鉄分を多く含むことから、妊婦のつわりを改善し、
貧血の予防をする生薬としても用いられている。
赤じそは6月~7月が旬だが、
青じそは年中スーパーの野菜棚や青果店で手に入る。
成長段階に応じて、芽から葉、花や実まで
すべて食すことができ、どれも香り高い。
中国では蟹を蒸す時に青じそを巻いて、
臭み取りと解毒をする。
日本でも、梅といっしょに漬けたり、
ごはんのふりかけに、お刺身の付け合わせに、
と薬味としての出番が非常に多い。
まとめ買いしても水分さえ補給すれば保存もできる。
シソの効能で年末年始の身体を整えよう。
~広東ジャピオン2012年12月17日号