伝統ある白朮入りお屠蘇
「白朮」とは、キク科の多年草であるオケラの根を、
外皮を剥いて乾燥させた生薬を指す。
中医では、利尿や胃腸を整え、
消化不良や食欲不振に効果的と考えられている。
また、胎児の成長を安定させるとも言われ、
つわりのある妊婦に、人参や甘草、丁字などと
一緒によく処方されるそうだ。
そして白朮は、日本や中国で、
新年を祝う際に飲まれるお屠蘇の材料の1つでもある。
元々お屠蘇とは、正式名を「延寿屠蘇散」と言い、
三国時代の名医「華佗」が創り出したもの。
「防風」や「山椒」など、数種類の生薬を酒に浸けた薬酒を意味し、
用いられる生薬はいずれも香りが良く、
胃を丈夫にする作用を持つ。
香気で邪気を払い、薬効で食欲を増幅させ、
気を巡らせることを目的として飲まれ始めたという。
お屠蘇は、実は家庭でも簡単に作ることができる。
薬局などで購入できる、白朮を含む生薬パック「屠蘇散(とそさん)」を
酒300㍉リットルに8時間程浸けるだけ。
お酒が苦手な人は、みりんで代用しても良い。
また、両方をブレンドすると、
まろやかな口当たりとなるのでオススメだ。
今年は、伝統的な中国式を採って、
自家製お屠蘇を飲んで、旧正月を祝うのはいかが。
~広東ジャピオン2014年1月6日号