咳・痰対策に半夏生姜湯
生薬「ハンゲ」とは、サトイモ科の植物カラスビシャクの球茎を、
外皮を除いて乾燥させたものを指す。
カラスビシャクは繁殖力旺盛で、日本全国至る所で目にする。
桑畑や茶畑などの耕作地でも自生しており、
農家を営む人が草取りの際、この球茎部分を集めて出荷し、
副収入としたことから、「ヘソクリ」とも呼ばれるそうだ。
ハンゲは嘔吐を抑制すると言われ、
慢性胃炎や妊娠中の悪阻に効果的だという。
また、身体に溜まった老廃物を除去する働きがあり、
咳が出る人や、痰が絡みやすい人にもよく処方される。
中国の民間療法として、吐き気や咳の対策に、
ハンゲを用いた「半夏生姜湯」を飲むことがあるという。
作り方は、ハンゲを良く洗い、ショウガと一緒に千切りしたものに
黒砂糖を加え、熱湯を注いで蓋をした後、5~10分蒸らすだけ。
生姜が入ることで、身体を温める効果もあるので、
風邪を引いた時にオススメだ。
ただし、注意すべき点は、生のハンゲには毒があるということ。
生食すると、口内がしびれて腫れ上がり、
ひどい時は呼吸困難に陥る場合もあるので、
服用する際は必ず、薬局などで処方してもらうようにしよう。
咳や痰が気になる時は、中国式に、生薬入りスープを試してみては。
~広東ジャピオン2013年10月28日号