天然的生活 第76回 ~半夏(ハンゲ)

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咳・痰対策に半夏生姜湯

 

生薬「ハンゲ」とは、サトイモ科の植物カラスビシャクの球茎を、

外皮を除いて乾燥させたものを指す。

カラスビシャクは繁殖力旺盛で、日本全国至る所で目にする。

桑畑や茶畑などの耕作地でも自生しており、

農家を営む人が草取りの際、この球茎部分を集めて出荷し、

副収入としたことから、「ヘソクリ」とも呼ばれるそうだ。

 

ハンゲは嘔吐を抑制すると言われ、

慢性胃炎や妊娠中の悪阻に効果的だという。

また、身体に溜まった老廃物を除去する働きがあり、

咳が出る人や、痰が絡みやすい人にもよく処方される。

 

中国の民間療法として、吐き気や咳の対策に、

ハンゲを用いた「半夏生姜湯」を飲むことがあるという。

作り方は、ハンゲを良く洗い、ショウガと一緒に千切りしたものに

黒砂糖を加え、熱湯を注いで蓋をした後、5~10分蒸らすだけ。

生姜が入ることで、身体を温める効果もあるので、

風邪を引いた時にオススメだ。

ただし、注意すべき点は、生のハンゲには毒があるということ。

生食すると、口内がしびれて腫れ上がり、

ひどい時は呼吸困難に陥る場合もあるので、

服用する際は必ず、薬局などで処方してもらうようにしよう。

 

咳や痰が気になる時は、中国式に、生薬入りスープを試してみては。

 

~広東ジャピオン2013年10月28日号

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